国会質問時間配分問題の議論はまず立憲民主党の嘘を正すことから

 前のエントリーで触れた国会の質問時間配分の件ですが、野党側が猛反発していますね。そこで気になるのが「そもそもなんで現在の配分になっているのか?」ということですが、現在の配分に変更した旧民主党側の主張は以下の通りです。

 

安倍首相、諸問題「丁寧に答える」はずが野党質問時間削減検討を指示 : スポーツ報知

立憲民主党の福山哲郎幹事長(55)は、旧民主党政権時代に、当時野党だった自民党の要求で、与野党の質問時間の配分が「2対8」となったと説明。

 

 民主党は公明正大で懐の広い政党だったんですねぇ・・・・・・。そんな政党が無くなってしまったとはいやはや日本は大きな損失を被ったのではないでしょうか。

 しかし、過去の新聞記事を調べてみるとこんな記事も出てきます。

 

asahi.com(朝日新聞社):民主、国会質問する?しない? 小沢ルールへの対応迷走 - 2009政権交代

民主党が国会で質問するのかどうかで迷走している。小沢一郎幹事長の「政府・与党一元化」論を貫徹すれば質問はいらなくなるが、論戦の主舞台の予算委員会などで質問したいという議員の思いも強い。明確な方針がないまま臨時国会に突入している 

(中略)

だが、議員にとって質問は自身の力量を試す機会。テレビ中継で地元に向けて活躍をアピールできる場でもあり、山岡氏の「質問なし」発言には若手から不満が出ていた。

asahi.com(朝日新聞社):民主党と内閣、「小沢ルール」解釈めぐり右往左往 - 2009政権交代

見返りに得たのは、小沢氏に次ぐ幹事長代行のポストと参院民主党の独自性だ。党役員会の重要ポストは参院議員が占め、参院だけ政策審議会が存続。衆院ではやらなかった代表質問も、参院では行い、自ら質問に立った。

 一方、山岡賢次国会対策委員長は試行錯誤を続ける。

 「国会は野党が政府と議論する場」という小沢ルールをもとに、衆院での代表質問を見送った。衆院予算委員会でも与党質問をやめようとしたが、結局することにした。

 

  大分話が違いませんかね?

 この記事から読み取れるのは、小沢氏の民主党内での権力固めの為の道具として与党議員の国会質問時間が利用されていた悲しい過去です。結果として割りを食うのが与党の若手議員という構図はそのまま今に至るまで継続しているわけです。

 

 この議論において様々な意見があることは健全なのですが、前提として以下の点は共有しておかないと建設的な議論にはならないと思います。

 

・そもそも国会の慣例では「与党4割、野党6割」だった。

・現在の比率になった理由は「民主党内の事情」によるもの。

・民主党、自民党問わず与党の若手議員はこの比率に対して是正を求めている。

 

 この問題に突いて万人の納得のいく解は存在しえないと思います。各人が選挙で選ばれた議員であること、議院内閣制において政府と与党が限りなくイコールに近いことなど質問時間を配分するうえで考慮すべき要素が多くあります。また、多くの人の利害に直接影響しかねない問題です。だからこそ、それらの意見を集約して最大公約数的な答えを出す為の議論をすることこそが政治だと思います。

 

 現在の与野党の議論は政治になっているのでしょうか?