今どきの若者論をTwitter分析から

 選挙Twitter期間中のツイートを分析した記事が公開されていました。

vdata.nikkei.com

 こちらの分析では世代ごとの傾向の違いが謙虚に表れています。

 10代のつぶやきで最も多く使われたキーワードは「希望」。ただし、希望の党を指しているとは限らない。2位は「安倍総理」だった。30代以上は安倍晋三首相の名前を含むキーワードが5位までに入っていない。「安倍総理」は10代と20代ツイートの特徴だ。
 10代と好対照なのが50代のつぶやき。注目キーワードのトップは「自民党」や「立憲民主党」をおさえ「共産党」となった。10代や20代で「共産党」はトップ10にない。
 「立憲民主党」は30代と40代のツイートで首位。ツイッターでは「#枝野立つ」や「#えだのん」のハッシュタグも活用されていたが、枝野幸男代表の党首力よりも政党力が広がりをみせた。

 

 「政策」がトップ10入りしたのは20代だけだった。折れ線グラフでみると、年代が高くなってくると「政策」に触れるツイートが減る。若い世代ほど「政策」に言及する傾向がはっきりとあらわれている。「期待」も10代では3位だが、年代が高くなるにつれてランクが下がっていき、40代、50代ではトップ100にも入らなくなる。

 

 10代選挙権の絡みもあり選挙前から何かと若者の動向についての言説が話題になっていましたがある程度それらを裏付けるものと言えると思います。

 

「やっぱり安倍政権しか選べない」東大生はなぜ自民党を支持するのか | BUSINESS INSIDER JAPAN

「売り手市場が続いてほしい」——20代が希望の党より自民党を支持する理由 | BUSINESS INSIDER JAPAN

「自民党こそリベラルで革新的」——20代の「保守・リベラル」観はこんなに変わってきている | BUSINESS INSIDER JAPAN

 

 

  この傾向については様々な角度から論じられていますが、今の若年層は選挙の結果が国民生活に反映したという経験を身近で見て育っているという点は見過ごせないと思います。

 

 ここ10年弱の間に総選挙による政権交代が2回起きました。そしてそれに伴うそれぞれ政権の政策によって経済をはじめ国民生活に大きな影響が出ました。特に大卒就職率という面では目を見張るほどの変化が起きています。これにより若者ほど「選挙によって生活は変わる」と考えているのではないでしょうか。それゆえ若者ほど政策を論じるという結果になっているのではないでしょうか。

 

 多くのマスコミが「アベノミクスの実感」がないという趣旨の報道をしていますが、実際には多くの若者が実感して恩恵と感じている現実があるのですね。

 

 また、年齢が高い層は55年体制とその終焉、政治不信の時代のイメージを引きづっていると言えます。しかし、その後に最も変化しているのは自民党です。バブル崩壊という現実を前にして行政改革を始め各種の改革、規制緩和を推進してきいます。一方で野党は新しい時代の要請に応えられないままに支持を失っていきました。今の若者はその姿を見て育ってきています。

 政治不信直撃世代とその後の時代を生きている若者世代の感覚の乖離が総選挙における関心事の違いとなったのではないでしょうか。