転居後のマイナンバーカードの申請は要注意!

 すったもんだの末に平成28年秋に導入されたマイナンバーカードですが、通知カードの発送から早2年が経過しました。まだカードの申請をしていないという方も多いのではないでしょうか。特に必要性を感じないですもんね。

 

 私も御多分に漏れず申請をしないまま過ごしていたのですが、今年の夏に引っ越しをしたこともありほんの気まぐれでマイナンバーカードの申請をしてみることにしてみました。わざわざ役所まで行かなくてもスマホで申請ができてしまいます。カードに入る顔写真もスマホでパシャリです。時代は進歩したなぁなんて感心しきりでした。これが9月の上旬の話です。

 

 必要に迫られて申請したわけでもなかったのですっかり忘れてのほほんと過ごしていたのですが、つい先日ふとマイナンバーカードの申請をしたことを思い出しました。気づけば2か月が経っています。流石に遅すぎると思いネットで調べてみると、申請から受領までは大体1か月程度とのこと。これはなにかトラブルでもあったのかなと思い申請受付メールに記載のフリーダイヤルに電話してみることにしました。

 

 電話をかけてみると音声ガイダンスで用件別に振り分けられます。私の場合は所謂その他の分類に当たり別の電話番号を案内されました。そこで事情を話して状況を確認したところ驚きの事実を告げられました。

 

 なんと、私のマイナンバーカードは転居前の住所地で作成されているというのです。

 

 なんでそんなことが起こったのか?それは、カードの申請に使用する申請IDに原因があります。さて、みなさん申請IDってなんだかご存知ですか?

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出典:川口市ホームページ

 

 この通知カード本体と思われる部分の下にある大きな余白部分(個人の感想です)の上部にひっそりと書かれている数字。これが申請IDです。

 

 なんでも、このマイナンバーカードを発行しているところはこの申請IDを基準にしてカードを作るそうなんですが、この申請IDは通知カード発送時の住所と紐づいているのだそうです。その為、私の申請したマイナンバーカードは古い住所で発行されどこかで宙に浮いているのだそうです。

 

 何ということでしょう・・・・・・。

 個人をIDで一元管理するためのマイナンバーカードなのにそもそも申請IDが自治体縦割りで互換性がなく、転出しているため本来は失効しているべき元の申請IDは受理されてしまうという笑えない展開です。

 

 国民総背番号制とかいって大反対していた皆さん。心配することはありませんよ!個人にIDを付与していることのメリットは全然生きていません!!

 

 もっとも、税や社会保障の面では効果を発揮しているのだと思いますが・・・・・・。

 

 そんなわけで私の勉強不足で起きた失敗だったのですが、皆さんが同じ轍を踏まないように注意喚起させていただきます。

 

 転居したら通知カードの下にある申請IDは使えなくなるので転入先の自治体で発行してもらってください!

 

 

ちなみに、マイナンバーカード総合サイトではちゃんと注意喚起されています。

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 う~ん、WEBで申請が通っちゃったのが悪いと思うんだけど←往生際が悪い(笑)

食べ物の恨みは怖い

 微笑ましい?ニュースをご紹介。

 

www.asahi.com

 

2人は古くからの知り合いで、男性は以前からお中元を贈っていた。ここ数年は3千円ほどのめんたいこだったが、今年は缶詰セット(約2千円分)だった。県警は、お中元が安価で質素になったことに藤浦容疑者が激怒したとみている。

 

 食べ物の恨みは怖いとは言いますが、実際にものを見てみないと何とも言えません。私は明太子の缶詰の存在を知らなかったのですが、調べてみるとこんな感じでした

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 ・・・・・・う~ん。

 商品のコンセプトとか食べ方のバリエーションを考えたら面白い商品なんでしょうが、いつも普通の明太子を貰っていたのがこれに変わったら怒るかもしれませんね(笑)

 

ふくやさんの商品に含むところはありませんので、あしからず。

これ↓とか大好きです。

自分探しは国民の義務?

  ありきたりな世代論とは一線を画す良い記事だと思います。

 

toyokeizai.net

 

自立したキャリアを実現するべく、彼らが受けるキャリア教育や就職活動も変化していった。「自分探しを前提とした“就職活動”」と「やりたいことを聞かれ続ける“キャリア教育”」の誕生だ。

就職活動で学生が企業に提出するエントリーシート(ES)は平均で25枚前後、多い人は100枚近くに上る。ESでは「志望動機」と「自己PR」の欄が設けられているため、自分がやりたいことや強みを各社の理念や事業内容に合わせて表現する必要がある。こうした「自己分析」というプロセスは、就職活動ではもはや当たり前となっているが、自己分析が行われだしたのはここ20年くらいのことだ。

 

そして、ゆとり教育において「総合的な学習の時間」が導入されたのに伴い、キャリア教育はどんどん広がっていった。さらに2011年の文部科学省の中央教育審議会の答申で、キャリア教育を通して身に付けさせるべき能力として「キャリアプランニング力」(自分のキャリアを自ら形成する力)が掲げられた。

20~30代前半のビジネスマンは程度の差こそあれこうしたキャリア教育と就職活動を乗り越えてきた。彼らにとってキャリアとは「やりたいこと」や「自分らしさ」を土台にして描くものなのだ。そして、彼らが社会によって誘導された「自分らしいキャリア」を求めた結果、転職者が増えているのが実情なのだ。

 

 

 ゆとり教育の結果として常に「個性」を求められることになった子ども達が大人になったわけですが、個性なんてものを必要としていない会社組織の中でも自分探しを続けている結果、転職という選択肢が俎上に上がりやすくなっているということですね。

 

 これは、ポジティブにもネガティブにも捉えることはできると思います。個人レベルで見ると恐ろしいほどのバイタリティーを持った若者はたくさんいますし、ゆとり境域の功罪といった切り口で散々議論されてきたことです。

 

 ここで注目したいのは、この傾向が労働市場を取り巻く環境の変化と相まって日本の労働環境にどう影響するかということです。

 

内定辞退、最多の6割超 学生の売り手市場反映 平成30年春新卒採用(1/2ページ) - 産経ニュース

 

 景気動向にも影響されますがこの先の少子化傾向を見ても労働市場は徐々に売手市場に傾いていくことでしょう。それと並行して労働者の側が自らのキャリア形成を意識して主体的に動くようになれば、自然と新しい働き方が生まれてくると思います。

 

heapsmag.com

 

 いわゆるブルーカラーでも新し働き方が動き出しているようです。

「サタデーファクトリーの製作だと、自分の持っている技術を存分に出し切り、納得いくまでこだわる。ま、そのぶんそのできあがった製作物の売値は高くなるんですけどそのリスクは自分で負えばいい(笑)。そして、人の目に触れる機会ができる。で、俺、あれやったんだと胸を張れる」。

 「ぼくらってよく、人手不足とか逆に余ってるとかいろいろ言われるんですけど、それって元請けが持ってる仕事次第、ってことなんですよね。だから、元請けの仕事のない時期は仕事が減る」。一人親方(事業主)が多い業界ならではの波だ。「それを安定化するんです。元請けの仕事がないときこそサタデーファクトリーの活動期。月収10万アップだ、そういったことも目標にしています。ブルーカラーの収入のボトムアップってところですね」。

 自分探し、自己表現と経済的側面を両立させた非常に素晴らしい取り組みだと思います。働き方改革はこうした新しい世代によって実現するのかもしれません。

 

リベラルという「看板」

 以前ご紹介した記事でも若者のリベラル感について論じられていましたが、かなり体系的な良い記事があったのでご紹介します。

 

diamond.jp

 英語の〈liberal〉は元々、市場に対する政府の介入の抑制と規制緩和を主張する、古典的な意味での自由主義者のことだったが、アメリカで独特な意味を獲得した。

 1930年代のニューディール期から50~60年代の黒人の公民権運動が盛り上がった時期にかけて、「ケインズ主義的な介入や福祉などを通しての再分配を支持する人」、あるいは、それと連動して「社会的弱者や文化的少数派にやさしい政策を求める人」が、「リベラル」と呼ばれるようになった。

  こちらが語義としてのリベラルなのですが、日本での使い方は曖昧なものになってしまっています。

 東西冷戦が終焉し、共産党も含めて、共産主義を目標として掲げる政治左派勢力がなくなり、かつてとは逆に、自民党へのアンチという形でしか“左”の共通尺度と言えるものがなくなった。

 そこで、ソフトな「左」という意味合いで、「リベラル」という言葉が使われるようになった。

 ただ、90年代半ば以降登場してきた様々な反自民あるいは非自民の諸政党は、その時々の自民党(主流派)の主要政策に反対する――住専処理、郵政民営化、原発、労働市場の自由化、行財政改革…――という以外に共通点を持たなかった。

 

 この分析は非常に的確だと思いますが、意外なところで中核派・全学連委員長のインタビューでも似たような見解を語っています。

――リベラル勢力の衰退が叫ばれる中で、反安倍の世論。復活には何が必要か。提言はありますか。

 リベラル勢力が復活することは無理だと思います。要はリベラルとは、左派でも右派でもないということですし、労組とかそういう基盤なくやるんだというのが一つの筋になってますから。要は選挙とか、そういう場所以外においてストライキとかで強制しようという論理の筋道がない以上、彼らはじり貧になっている。復活の道はその先にはないと思います。

――本来は揺り戻しと言うのは政権交代で起きるもの。米国は共和党と民主党の間で起きます。

 立憲民主党の枝野さんなんかは「30年前だったら、自民党宏池会に自分がいるはずだ」と自分で言っています。そういう意味では、野党も自民党のような世界観で物事を打ち出して勝負している。となると政権交代をする必要がない。選挙でそれ(政権交代)が起こることはあり得ない。なぜなら選挙はテストみたいなもので、日常の力関係がそのまま表れるから。資金力がまず要因。何回選挙しようが、安倍政権がどんだけひどいことをやろうが。

出展: リベラルに復活の道はない、中核派・全学連委員長が激白 | 『週刊ダイヤモンド』特別レポート | ダイヤモンド・オンライン

 

 

 この現象自体は日本でリベラルという言葉が使われ始めたころから変わっていないのですが、ここにきてこう言った言説が目立つようになってきたのは反自民党勢力の掲げる看板として「リベラル」という言葉の消費期限が切れてきたということのようにも思えます。

 

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無人在来線爆弾はバルスを越えるのか?ーシン・ゴジラ地上波初放送の反応

 天空の城ラピュタの放送時にTwitter上では当ブログでもご紹介の通り多くの企業アカウントまで巻き込んで「バルス祭り」が巻き起こりましたが、本日は注目度は負けず劣らずの「シン・ゴジラ」が地上波初放送されました。

 

 さて、バルスほどの歴史もキャッチーさもないですが果たしてTwitter上ではどれほどの盛り上がりを見せたのでしょうか。

 まずは、最近絶好調のパインアメさん

 キリンビールさんが意味深な呟きを

日経が!!! 

いいのか?報道機関!←広報部だから(笑)

 

 細かく呟いていたのはタニタさん

 

 ここで、緒方恵美さんがまさかの参戦!!!

 ちなみに、緒方恵美さんは庵野監督の新世紀エヴァンゲリオンの碇シンジ役の声優さんです。 

 

 タカなにやらラトミーさんのつぶやきが意味深に見えます(笑)

 

 

 そして、ヤシオリ作戦が開始・・・・・・、

 

 期待していたタカラトミーさんが大活躍で個人的には満足です。

 やはり、天空の城ラピュタほどの広がりは見せませんでしたが一部では熱い盛り上がりを見せた「シン・ゴジラ」地上波初放送でした。

 

終わった後まで(笑)しかもエヴァネタ(笑)

悪質な消費者と善良な労働者

 先日の記事でも消費者の権利を重視しすぎる風潮について書きましたが、流通業界のお客様第一主義がもたらす弊害もまた深刻です。

 

www3.nhk.or.jp

 

 私も10年ほど流通業界にいましたが悪質なクレーマーは数多くいました。某小売チェーンのエリアマネージャーをしていた時などは管轄する店舗からクレーマーがいるという連絡を受けて山手線に飛び乗ることなど日常茶飯事でした。その中で重要だなと感じたのは「どこまでがお客様か」という線引きを明確にしておくことです。

中には「2時間にわたって正座させられ片方の耳が聞こえなくなった」という男性や、「客から腕で何度も胸をつつかれ、上司に報告したが、『大ごとになる』と対応してもらえず、体調を崩して精神疾患になった。私に人権はないのか」とつづった女性もいました。

  同業他社の話などでこの様な事例をいくつか耳にしたことがありますが、私がいた会社は幸いなことに上記の線引きがはっきりしていましたのでこの様にエスカレートすることはありませんでした。

 

 その線引きを具体的に言うと、「ここからは警察に通報してよい」というルールのことです。私は店舗のスタッフにこの基準を通達していました。そうすることで悪質なクレーマーに対してしなくてもよいお客様扱いをして事態を悪化させることを防げるからです。

 

 例えば、カウンターなどを叩く蹴るした場合、大声をだした場合、詫びの金品を要求した場合、「お引き取りください」と2回以上言っても帰らない場合などはすぐに警察に通報することにしていました。この基準には驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、警察はこれらのすべての場合に威力業務妨害等に該当するとして問題の人物を店外へと連れ出して指導してくれます。ここで重要なのはトラブルの原因がこちらに非がある場合でもこの基準は変わらないということです。いかなる理由があろうと上記の行為をしたものはお客様ではなくなります。ここの割り切りこそが重要なのです。

 

 暴力や高圧的な態度を背景に利益を得ようとする者に屈することはその他のお客様にとって失礼ですし結果的に不利益をもたらします。また、本来お客様の利便性や価格などに反映するべきリソースをそういった者に対応するために割くことはお客様にとっての損失となります。この考えに立ってみれば「どこまでがお客様か」を明確にしてそこを越えたものに対してはしかるべき対応をとるのは接客業にとっての義務とも言えます。

 

 私がいた会社は専門性が高く比較的価格以外の競争力があった為、上記のような強気の対応を取ることにそこまでの抵抗はありませんでした。一方で、競争の激しいスーパーやコンビニなどでは中々お客様を切り捨てるという発想は持ちにくいかもしれません。しかし、悪質なクレーマーはほんの一握りです。彼らが来なくなったところで困らないどころかお店にとっては良いことだらけです。そういった方は一度警察の方に相談しておくと良いかも知れません。どういった事例で警察がどう対処してくれるのかを事前に知ることができますし、110番ではなく警察署の担当の電話番号も教えてもらえます。それを共有しておくだけでもスタッフの安心感は大きく変わってきます。

 大切な労働者であるスタッフを守るためにも是非事前の対策をしましょう。

日本経済に必要なのはフェアトレードだ!

 フェアトレードというと主に先進国と発展途上国の関係で用いられる言葉です。

フェアトレードとは? | わかちあいプロジェクト

フェアトレード(Fair Trade : 公平貿易)とは、発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な生活向上を支える仕組みです。従来の一方的な国際協力・資金援助は、援助する側の都合によって左右され、継続性に欠けるという問題点がありました。それに対し、フェアトレードは、私たち消費者が自分の気に入った商品を購入することでできる、身近な国際協力のかたちです。

 

 しかし、冷静に考えてみて現在の日本で「作物や製品を適正な価格で継続的に取引」していると胸を張って言える企業がどれほどあるでしょうか。国際的に見られる先進国と発展途上国という構図は分かりやすいものですが、国内でも似たようなことが起こっています。それは消費者第一主義に起因します。消費者の権利、利便性を追及するあまりにそれを提供する企業や労働者が搾取される結果となっています。日本社会の異常な安値礼賛、過当な値下げへの圧力は日本経済の縮小を招きかねない悪弊と言えます。

 

 私はこれを打破する策として国内でフェアトレードの概念を広げ実践していくことが有効だと考えています。全ての財、サービスに対して適正な対価を払い、また自分が提供する際も適正な対価を要求するという考え方です。現状では一部のコアな技術を持った企業でしか実現不可能でしょうが、だからこそ国民的議論として広がっていけばよいなと考えています。

 

 その為の一歩として考え方の転換が必要だと思います。

「ドイツと日本は、国民をどうとらえるかの考え方が違います。ドイツは国民をどちらかといえば労働者だととらえて、労働者の権利に重きを置いてきました。日本は消費者だととらえて、消費者の権利を重視していると思います」

ドイツでは労働者の権利を重視するために休日を充実させ、1日に働く時間も厳格に決め、徹底的に労働者が働きやすい国をつくりあげてきました。

ところが、日本では消費者としての権利を重んじたので、「お客様は神様」という意識が強くなったのではないでしょうか。だから、“神様”のためにコンビニは24時間オープンし、土日に休む店などもってのほか、ネットで注文したら商品が翌日に届くのは当たり前という風潮になっているのです。

 出典:デキる人は「他人は別の惑星の人だ」と考える | ワークスタイル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

 基本的に全ての国民は労働者であり消費者です。そして、労働者と消費者の利害は時として相反します。現在の日本では消費者のエゴが労働者の権利を侵してしまっているのではないでしょうか。

 

 今年は宅配便業界の値上げが大きな話題になりました。私はこの問題の本質は企業や労働者が適正な対価を得られる状況にないことにあると考えています。

ヤマトHDが人手不足よりも恐れる「送料無料」という意識 - エキサイトニュース

 それは、これまでも価格比較サイトが重宝がられてきたように消費者が価格に敏感だったこともあるが、送料が余計な出費、送料無料がどこかで当たり前といった意識が強いところにある。中計の会見でも、ヤマトホールディングスの山内雅喜社長が、「あえて言うなら、送料無料という言い方は適切ではないのではないか」と疑問を呈したが、一度感じた送料は余分な出費といった認識はそうそう変わるものではない。通販事業者にとっても商品の値引きを行うよりは送料を低く抑えたほうが、顧客の支持を得られるはずだ。

 

 消費者が適正な対価を払わないとどうなるのかは火を見るよりも明らかです。企業は消費者の希望に沿うように安価で商品を提供し、そこから利益を得るためにコストカットを図ります。原材料費や設備は簡単に削れませんので、殆どの場合は人件費のカットに繋がります。こうして労働者の所得は低くなり、それに伴い安値を求める消費者となっていきます。

 

 この負の循環を解消する手段は一つだけです。上昇したコストは価格に転嫁しましょう。そしてその売上から十分な賃金を払い豊かな消費者を生み出しましょう。

 

 そういった意味で明るい記事が出ていました。

宅配便一斉値上げは「物価上昇の号砲」になる可能性が高い | 重要ニュース解説「今を読む」 | ダイヤモンド・オンライン

これは、他の業界の企業にとって、「自分が苦しい時にはライバルも苦しいのだから、ライバルが追随値上げをする可能性も十分にある」という力強く、頼もしいメッセージとなったはずである。メッセージを受け取った他業界の企業も、総じて非正規労働者の時給上昇に悩んでいるわけであるから、「うちも値上げしてみよう。ライバルが追随値上げをしてくれれば、顧客を失わずに利益が増えるのだから」と考える可能性は十分にある。

 

 この件を危機に企業が適正な対価を様出来る社会になれば政府が目指す物価上昇も実現は近づいてくると思います。

 

 最後に、値上げを断行した鳥貴族の社長のインタビューで面白い一説がありました。

鳥貴族社長に聞く、298円への値上げに踏み切った舞台裏 | 『週刊ダイヤモンド』特別レポート | ダイヤモンド・オンライン

――実際、値上げを決めた時の社内の雰囲気はどうでしたか。

 みんなびっくりしていましたね。「そんな方法あったんだ」と(笑)。

 

 今の日本のビジネスマンには値上げするという発想自体が無くなってしまっているのでしょうね。値上げ=悪。この風潮をなくしていくことは重要な課題であると思います。その為に、私の一押しが冒頭から述べている「フェアトレード」の考え方です。

続・子どもの貧困問題

 先日の子どもの貧困に関するエントリで取り上げた記事ですが全5回の連載記事が最後まで公開されました。

 

メディアが作る「理想の貧困」 当事者を傷つける「テンプレの物語」 - withnews(ウィズニュース)

支援される資格って?「理想の貧困」頑張れない理由も知って欲しい - withnews(ウィズニュース)

月17万円でも苦しい…「理想の貧困」の誤解、家計簿でくつがえす - withnews(ウィズニュース)

 

 連載を通して貧困家庭で育った子どもたちが世間や、メディアひいては支援団体からさえも理想の貧困像を押し付けられて窮屈な思いをしているという趣旨はよく伝わってきました。最後の記事ではそれに対する取り組みとして家計簿体験を通じて貧困家庭の実態を理解しようとする取り組みについても語られていました。我々読者の側としては貧困問題について考えるスタートラインに立つだけの前提知識を得ることができたのではないでしょうか。

 

 ちなみに、私個人としては所謂「貧困叩き」はマスメディア不信の問題だと考えています。ご紹介した記事内でも散々取り上げられているようにマスメディアのストーリーありきの報道姿勢に対する拒絶反応という見方です。その為、この記事の5人の若者のインタビュー記事に対しても一定のバイアスがかかっている可能性を捨て切れていません。だからこそ、当事者の声よりまずは定量的な数字を示してくれ!と言いたくなるのかもしれません。

 

 さて、そんなタイミングでおあつらえ向きの記事がありました。

toyokeizai.net

 

 子どもの貧困で最も重要ともいえる教育に関する問題です。

公立学校の年間平均では、小学6年生で15万3000円、中学1年生で15万6000円、中学2年生20万円、中学3年生38万円(文部科学省「平成26年度『子供の学習費調査』の結果について」)となっている。

中学3年生の補助学習費が公立中学校であっても38万円とダントツに高くなっていることを指摘できる。中学3年生は高校入試を控えているため、その準備のために塾などの学校外で勉強することに多額の費用を払っていることを意味している。

 

 非常に大きな額ですね。前回のエントリで触れた相対的貧困世帯にはかなり厳しい金額だと思います。

 

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出典:平均38万円!「塾代が払えない」問題の処方箋 | 国内経済 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

 こちらの表を見れば世帯年収による子どもの教育へのお金のかけ方の差は一目瞭然です。ここまでは多くの方が直感的にも納得し得る前提だと思います。

 

 大切なのはその前提を元にどういった議論を進めていくべきかということです。まず、教育機会の平等の為に「義務教育だけでは足りないのか」という論点があると思います。多くの子どもにとって一定レベル以上の学力をつける為には塾に行くことは必要だと推定できるかもしれません。それに対してどういった策があるでしょうか。

 

第一に、低所得階級に教育バウチャーを支給することで、塾に行く可能性を与える策がある。これは、実際に「スタディクーポン」という形で、経済的理由で塾に行けない子どもへの支援に活用されている。

第二は、塾に頼らなくてもよいように、学校においても今では排除されている習熟別学級編成をして、学力の高い子・勉強の好きな子と、そうでない子を別の教室で教える方法がある。

 

 ここで2つのアプローチがあります。

 義務教育だけでは足りないから

  ①みんなが塾に行けるようにする。

  ②塾に行かなくて済むように義務教育を変える。

 それぞれにメリット、デメリットがあると思います。

 

 個人的にはこの記事の筋立ては非常に好みで理に適っていると思います。子どもの貧困の問題は単に教育の問題にとどまらないとする意見が多くあるのも存じていますが、解決のための建設的な議論にはこうして問題点をひとつひとつ抜き出した上で事実と客観的なデータに基づいて整理して議論していくことが不可欠です。

 

 えてして感情的になりやすい題材ですので、今後もこの問題に関しては建設的な議論がなされることを望みます。

140文字でできること

 以前から話の合ったTwitterの投稿文字数を280字へ増やす件ですが実装されたようです。

 

ツイッター、字数上限を280字に拡大 日本語は対象外 - WSJ

米ツイッターは7日、サービスを提供するほとんどの国でユーザーが1回に投稿できる文字数を従来の2倍の280字に増やすとした。同社は英語でツイートする人の主な不満が140字制限にあることを見て取り、9月から少数のユーザーを対象に280字制限を実験していた。

(中略)

 日本語、韓国語、中国語のツイートの上限は140字で変わらない。これらの言語は1字に多くの情報を詰め込むことができる性質から、思いを140字で表現するのにそれほど苦労しないからだとツイッターは説明している。

 

 ツイッター上では様々なユーザーさんが新しい仕様を試していました。

 

 

 

 

  少し不便になったこともあります。

 

  一方ではこんな猛者も・・・・・・。

 

 個人的には昔よくあった半角1文字全角2文字扱いのイメージで懐かしい気がしています。日本語は対象外とはいえ、英字表記も多く内包する言語ですので今後のツイートに影響が出てくるかもしれません。

今どきの若者論をTwitter分析から

 選挙Twitter期間中のツイートを分析した記事が公開されていました。

vdata.nikkei.com

 こちらの分析では世代ごとの傾向の違いが謙虚に表れています。

 10代のつぶやきで最も多く使われたキーワードは「希望」。ただし、希望の党を指しているとは限らない。2位は「安倍総理」だった。30代以上は安倍晋三首相の名前を含むキーワードが5位までに入っていない。「安倍総理」は10代と20代ツイートの特徴だ。
 10代と好対照なのが50代のつぶやき。注目キーワードのトップは「自民党」や「立憲民主党」をおさえ「共産党」となった。10代や20代で「共産党」はトップ10にない。
 「立憲民主党」は30代と40代のツイートで首位。ツイッターでは「#枝野立つ」や「#えだのん」のハッシュタグも活用されていたが、枝野幸男代表の党首力よりも政党力が広がりをみせた。

 

 「政策」がトップ10入りしたのは20代だけだった。折れ線グラフでみると、年代が高くなってくると「政策」に触れるツイートが減る。若い世代ほど「政策」に言及する傾向がはっきりとあらわれている。「期待」も10代では3位だが、年代が高くなるにつれてランクが下がっていき、40代、50代ではトップ100にも入らなくなる。

 

 10代選挙権の絡みもあり選挙前から何かと若者の動向についての言説が話題になっていましたがある程度それらを裏付けるものと言えると思います。

 

「やっぱり安倍政権しか選べない」東大生はなぜ自民党を支持するのか | BUSINESS INSIDER JAPAN

「売り手市場が続いてほしい」——20代が希望の党より自民党を支持する理由 | BUSINESS INSIDER JAPAN

「自民党こそリベラルで革新的」——20代の「保守・リベラル」観はこんなに変わってきている | BUSINESS INSIDER JAPAN

 

 

  この傾向については様々な角度から論じられていますが、今の若年層は選挙の結果が国民生活に反映したという経験を身近で見て育っているという点は見過ごせないと思います。

 

 ここ10年弱の間に総選挙による政権交代が2回起きました。そしてそれに伴うそれぞれ政権の政策によって経済をはじめ国民生活に大きな影響が出ました。特に大卒就職率という面では目を見張るほどの変化が起きています。これにより若者ほど「選挙によって生活は変わる」と考えているのではないでしょうか。それゆえ若者ほど政策を論じるという結果になっているのではないでしょうか。

 

 多くのマスコミが「アベノミクスの実感」がないという趣旨の報道をしていますが、実際には多くの若者が実感して恩恵と感じている現実があるのですね。

 

 また、年齢が高い層は55年体制とその終焉、政治不信の時代のイメージを引きづっていると言えます。しかし、その後に最も変化しているのは自民党です。バブル崩壊という現実を前にして行政改革を始め各種の改革、規制緩和を推進してきいます。一方で野党は新しい時代の要請に応えられないままに支持を失っていきました。今の若者はその姿を見て育ってきています。

 政治不信直撃世代とその後の時代を生きている若者世代の感覚の乖離が総選挙における関心事の違いとなったのではないでしょうか。